政府は「改革」という名のもとで、
医療制度をこのように変えようとしています
政府の医療制度改革の中味はこうです
A 経済財政諮問会議、総合規制改革会議の改革案の骨子
1. 営利企業の病院経営への参入を認める。
営利企業の病院経営への参入を認めているのは 米国だけであり、病院の約14%にすぎない。そこでは採算のとれない 部門からは撤退しているのが現実であります。日本でも全く同じ事が起こり不採算と言われる診療科やへき地診療からの撤退が起こります。米国での営利企業の経営する病院の割合の少なさからもわかると思います。
2. 保険診療と自由診療の併用(混合診療の導入)を認める。
公的医療保険でまかなえない分は自己負担または民間保険を活用することになり、金持ちしか充分な医療を受けられなくなり(階層医療)、公平、平等という国民皆保険制度は崩壊します。また、却って医療費は高騰することになります。
3. 保険者と医療機関の直接契約を認める。
診療報酬の価格が保険者ごと、医療機関ごとに変わり、全国同一価格、公平性、平等性、フリーアクセスという 国民皆保険制度は崩壊いたします。
B. 厚生労働省の医療制度改革試案の骨子
T.患者負担
1.サラリ―マン本人の窓口負担を現行の2割から3割に引き上げ
70〜74歳は1割から2割に引き上げ
3歳未満は3割を2割に軽減
2.高額療養費の自己負担限度額を引き上げ(63600円を72300円に、121800円を139800円に)
3.サラリ―マンの保険料を年収べ―スに変更してボ―ナスからも徴収(0.8%から月給なみに=約8.5%)= 総報酬制を導入
政府管掌保険料率の引き上げ
U.高齢者医療制度
1.対象年齢を段階的に現行の70歳以上から75歳以上に引き上げ
V.医療機関
1.老人医療費の伸び率の管理制度を導入し、超過分は医療機関が負担
2.診療報酬の見直し
3.保険者との個別契約による診療報酬の割引の解禁
患者負担はこう変わる
┌───────────┐ ┌───────────┐
│ 現 行 │ │ 厚労省試案(02年度〜) │
└───────────┘ └───────────┘
┌───────────┐ ┌─────┬─────┐
│ │ │ 1割 │ 高額 │75歳
│ 1 割 │ │ 定額制 │ 所得者 │以上
│ │ │ を廃止 │ 2割 │ ↑
70 │ (外来は定額制もある) │ ├─────┴─────┼──
歳 │ │ │ │70歳
以上│ │ │ 2 割 │以上
↑│ │ → │ │ ↑
──┼──────┬────┤ ├───────────┼──
│ 健保 │ │ │ │
│(サラリーマンなど)│ │ │ │
│ 本人2割 │ 国保 │ │ │
│ │(自営業 │ │ │
│ │ 者など)│ │ 健保・国保 │
│ │ 3割 │ │ とも │
│ │ │ │ 3 割 │3歳
│ │ │ │ │以上
│家 入院2割│ │ │ │
│ { │ │ │ │
│族 外来3割│ │ │ │ ↑
│ │ │ │ │
│ │ │ ├───────────┼──
│ │ │ │ 2 割 │
└──────┴────┘ └───────────┘
以上のように、医療をどうするかという視点のない財政面のみからの、国民の負担増のみを考えた案であります。
資源のない我国の唯一の、そして最も重要な資源である健康を一顧だにしない恐ろしい案であります。
一連の考え方は、医療の世界にも市場原理を持ち込もうとし、これだけが「質が高くムダのない医療を実現する」絶対的な方法とするものであります。しかし、市場原理は市場で金銭を通じてよりよいサ―ビス を提供するものが勝者となると同時に、貧しい人は参加できないのが市場原理であります。
米国、英国での1980年代の市場原理中心の改革で社会保障が抑圧され、貧富の差が拡大し、現在はその修正策が採用されています。
小泉改革で50万人とも数百万人ともいわれている失業者がでると予想されているなか、国民の最大の不安である社会保障、医療に安心感をとりもどさなければなりません。そうすることが景気回復にも効果をもたらします。
国の責任である社会保障、医療の充実には 国がその責任を果たさねばなりません 。
予算配分を見直し、国費を社会保障、医療に振り向け増額すべきと考えます。
国民の皆さん、是非、声を挙げてください。
戻る
和歌山県医師会